
今回は宅録をする際の手順や方法などを書いていきたいと思います。
あくまでも僕のやり方ですが、初心者さんのお役に立てばと思います。
以前カバーしたlynch.さんの曲を題材に白紙のプロジェクトファイルから、最後のマスタリングまで、1曲が出来上がるまでの行程を動画などを駆使して分かりやすく解説していきます。
目次
プロジェクトファイルを立ち上げる

サンプルレート / ビットデプス
●サンプリング周波数は、瞬間に鳴った音をどれだけ細かい精度で再現できるかを示す値、単位はHz(ヘルツ)
●これに対しサンプリングビット数は、鳴った音が時間的流れの中で変化していくのを、どれだけ高い精度で再現できるかを示す値で、単位はbit(ビット)で表示される。
理論的には、数値が高ければ高いほど解像度も上がり音も良い。
デメリットとしてはその分データ量も増える為重くなる。
しかしいくら高解像度でも雑音が入るようなクソゴミな環境で録音してしまうと音は良くなりません。
通常プロの現場のサンプルレート / ビットデプスの設定は?
僕は通常の設定としては
●48kHz / 24bit(たまに32bit)
で作ることが多いです。
PCの負担も掛からないので、スムーズに作業ができますね。
【トラック数が少なくてしっかり高解像度で作業したい時は】
●88.2kHz / 32bit
で作る時があります。
やはりデータがデカくなるのでPCの処理も重くなります。
しかし、音像は48kHzに比べるとイメージ通りに仕上がりやすい印象です。
まぁこんな設定はあくまでフレームみたいなものです。
本当に良い音は【プレイと音作り】で決まります。
今回は【48kHz 24bit】で作業していきたいと思います。
原曲をインポートしてクリックを合わせテンポを測る
次にやっていくのは原曲をインポートしてテンポを測ります。
ガイドとしても役立つのでオススメです。
測り方としては曲の小節の頭を探し出し、グリッドの頭に揃えてからテンポの数値をかえて探っていきます。
たまにフリーテンポやテンポチェンジで合わない曲もありますが、その時はそれに合わせて根気よく探ってみてください。
和音 / コードとメロディラインをMIDIで打ち込んでいく
次にやっていくのは和音 / コードとメロディをMIDIで打ち込んでいきます。
和音がおこせないギターリフで構成されている場合はルート音だけでも大丈夫です。
ここで便利な道具が
【半音からのトランスポーズが可能なキーボード】です。
僕自身はピアニストではないので、軽くスケッチするくらいしか弾けません。
なので、トランスポーズ機能を駆使してコードを打ち込み易くするのです。
ちなみに僕が使用しているMIDIキーボードはこちら
メーカーによってはオクターブしかできないものがありますね。
まぁKORGの製品なら機能多彩で問題ないでしょう。
ハモリのパートを打ち込む
すでに打ち込んである主メロを複製し、そのMIDIをザックリと3度辺りまで上げます。
スケールアウトしたMIDIをハメていくと素早くハモリを作れます。
ボーカルレコーディング
上記で作ったオケで歌を録音していきます。
●インポートした原曲
●MIDIで打ち込んだコードとメロディライン
オケ制作をしてしまった後にキー変更になると
また作り直しになってしまいます。
それを回避するために先に歌のキーの確認を含め録音していきます。
オケを無理やりピッチシフターなどでキー変更も出来ますが音が悪くなるのでお勧めしません。
入力レベル

今回は【コンデンサーマイク→インターフェース】の直結です。
入力レベル的には、大きな声を出して8割程度に収まると良いでしょう。
歌録りであると良いもの
実際のレコーディングになると、コンデンサーマイクの後に
●プリアンプ
●EQ
●コンプレッサー
などのアウトボードをかまします。
やはり音はめっちゃ良いです。
厚みや倍音も増すので音作りがしやすくなります。
実機は高価で維持費もかかるので、個人で所有するのは大変ですね。
ピッチ修正
全てのパートが終わったらピッチ修正をします。
●主メロ
●ハモり
●コーラス
などの音程のあるパートは全て修正していきます。
ここで必要になってくるのがピッチ修正プラグイン。
色々なメーカーが販売していますが、その中でも僕はこれを使っています。
操作性は微妙ですが、音質の変化が少ないのでお気に入りです。
操作性に優れているこちらのピッチ修正もオススメです。
ほぼこの二択でしょうか。
オケの作成
ドラムのMIDI打ち込み
今回は【SUPERIOR DRUMMER 2.0】こちらを使って打ち込んでいきます。

まず、打ち込む段階ではステレオアウトで出力します。
なるべくPCに負担をかけないためです。
打ち込み終わったらマルチアウトで出力して書き出します。
僕のようにリアルタイムでMIDIノートに打ち込む場合は
【クオンタイズ機能】を駆使しましょう。

ズレたMIDIをグリッドに沿ってカッチリはめてくれます。
打ち込み方は人それぞれなので、自分に合った方法を探してみて下さい。
ギター&ベーストラックのレコーディング
次はギター&ベースのレコーディング。
今回はソフトウェアのアンプシミュレーターを使っていきます。
インターフェース直結でラインの音を録音していく形になります。
ソフトウェア上でアンプシミュレーターをかますので、後からでも音作りができて便利ですね。
基本的にラインを録音しておいた方が良いです。
後からのリアンピングなどで必要になってきます。
●しっかりプレイする
●しっかり音作りする
この2つは別々で考えた方が良いでしょう。
ギター&ベースの録音パターン
ライン、アンプシミュレーターの音を同時に録音するには
【D.I】ボックスなどで出力を2つ出す必要があります。
【D.I】ボックスが必要 / 不必要な場合と接続を図にしていきます。
●Ver1 【KEMPER / AXE FX / その他高機能搭載アンプシミュレーター…】
【D.I】機能も搭載されているアンプシミュレーター。

●Ver2 【LINE6 POD / リアルアンプ / …機能が少ない小型のアンプシミュレーター】
【D.I】機能は搭載されていないので【D.I】ボックスが必要

●Ver3 【ソフトウェアのアンプシミュレーター全般】
インターフェース直結でラインを録音できるので【D.I】ボックスは必要なし

今回はこのVer3で作業しています。
ギター&ベーストラックの編集
ギターとベースの編集になります。
順序はラインを編集した後に、アンプシミュレーターを通して書き出します。
パンチインや切り刻んだ波形に対しては必ずフェード処理をしていきます。

フェードの長さですが、今回はリフの間を細かく切る作業が多かったので
短めに設定しております。
この辺りは曲によるので、その時の編集でハマる設定をしてみて下さい。
まとめ
大まかな作業工程はこんな感じで進んでいきます。
今回は特殊なトラックもなくて楽にカバー出来ました。
その後のミックス、マスタリング作業はこちらの記事をご覧ください。

曲の難易度や特殊なシンセトラックが入ってくると、1曲作るのに更に時間がかかります。
このカバー制作もすることによって、僕自身もとても学べることが多いです。
新しいコード進行、音色の使い方、演奏技術など
自分自身のためにもなるので、DTM宅録をテーマにどんどん発信していきたいと思います。